24.「決断」
「僕に練習する時間をください。
5年計画と考えていたけど、時間があればもっとこれを短縮できる。
はっきり言うと、アイロックスの業務から離れたい。
もちろん給料もいらない。
音楽に、ギターだけに没頭する時間をください。」
メンバーとの話し合いの場で、僕はそうお願いした。
今回はさすがにメンバーも困惑していたと思う。
今までずっと一緒に業務をやってきたのに、急にどうした?
給料なくて生活はどうするの?
話し合いは数ヶ月に渡ったが、最終的にはみんな、
「分かった。大介が好きなようにしよう。
それがきっとLACCO TOWERにとって良い道になる。」
そう言って僕を信じてくれた。
ケイスケ、啓示、しげちゃん、真ちゃん、そしてスタッフの皆さん、本当にありがとう。
でも僕も本気でそう信じたんだ。
僕がレフティギタリストとして、一人前になることが、一番LACCO TOWERの為になるって。
そして時間さえあればそれは可能だって。
2022年4月、齢は40歳。
背水の陣を敷いたギタリスト、細川大介。
お金はないが、音楽とギターへの情熱だけは誰にも負けない。
そして根拠もない自信。
けど昔もそうだった。
僕ならできる。
いつだって自分を突き動かすのは根拠のない自信なんだ。
※ここでいうアイロックス業務とは、宣伝や広報、制作などのいわゆる雑務的なもの。LACCO TOWERの業務(どんなアルバムを作るとか、どんなライブにするとか、どんなツアーにするなど)は継続してやっている