5.「確信」
2マンツアーを経て、基礎練習が足りないからギターが弾きづらいと思っていた僕は、家に帰ってから基礎練習を始める。
しかし何時間、何十時間弾いても全然弾けるようにならないのだ。
8時間練習して、少し弾けるようになっても次の日にはまた弾けなくなっている。
そんな日々の連続。
流石の僕もこれはおかしいって感じて、そこで初めて鏡を見て気づく。
「おれ、こんな弾き方だったっけ?」
焦って昔の動画を引っ張り出す。
見比べたら一目瞭然、以前とは全然違う弾き方になっていることに気づく。
手首は硬く硬直し、肩は強張っている。
ピックを持つ指はとても綺麗とは言い難い持ち方。
そこで事の重大さに気づく。
「これって本当にやばいんじゃないか、、、」
とにかく元のフォームに戻すように動画を見ながら修正の日々。
しかし、いくら練習しても思うように右手が動かないのだ、
20代の頃にお世話になっていたギター教室にまた通うようになり、症状をみてもらう。
正直この辺りから、色々と症状を調べはじめ「もしかしたら自分はジストニアなんじゃないか?」って考えるようになる。
しかし認めないようにしてた。
「自分がそんな病気にかかるわけない」
そう必死に言い聞かせていた。
ジストニアが発症した後、治療法として一番最初に言われるのが、
「ギターを弾かない」
これだけ。
しかしこの後バンドとして控えていたのは、初のホールツアー。
2017年に Zepp DiverCity Tokyoでワンマンライブをして、次なる僕たちのステップアップとなるツアー。
今、足を止めるわけにはいかない。
その想いとは裏腹に、ギタリスト細川大介は肉体的にも精神的にどんどん泥沼に沈んでいくことになる。