11.「転換期」
中学生の頃からギターを始め、この道以外ないって思ってた。
でもその道が閉ざされるって気づいた時、どうやって心を保つことができるのか。
ジストニアになって躁鬱が強くなり、憤りをどこにぶつけていいかわからないということが多くあった。
一人で大声をあげて、
「なんでこんな簡単なのが弾けないんだ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!」
叫ぶことが多くなっていた。
その衝動がいつ自分に向いていってしまうのかも怖かった。
何時間弾いてもギターがうまく弾けない時、右手を切り落としたいっていう衝動に何度もかられた。
右手がなくなっちゃえばもうギターを弾かなくて良いじゃんって。
右手がみんなの目に見える形であるから、自由に動かせない苦しさが伝わらないんじゃないかって。
不安定な毎日を過ごす。
そんな時期が続いていた時、気分転換に見たYouTubeの番組「中田敦彦のYouTube大学」。
すごい衝撃を受けた。
勉強ってこんなに面白かったんだ、
僕が知っている世界はなんて狭かったんだって。
そこからKindleを買ってひたすら本を読むようになる。
歴史の本、教養、文学、哲学、etc。
がむしゃらに読みまくった。
もともと全然勉強してこなかったから(笑)、知ること全てが新鮮で面白い。
何よりもギターが弾けなくなったら僕の人生は終わりだって思ってたけど、本を読むことによって、そんなことないんだって思えてきた。
この時初めて、ポジティブな意味で「音楽を辞めるっていう選択肢もあるのでは」という想いが出てくる。
けど、まだまだ音楽を、ギターを続けたいって思いは大きかったから、どうやったらこれからも続けていけるかを模索していくことになる。