17.「衝撃」
一夜明け、改めてどうしていくかを考えることになる。
何日かけても答えは出ない。
そして何度目かの夜が来た。
僕はいつものようにYouTubeでギターの動画を見ていた。
良い弾き方、自分で試せそうな弾き方を探して、トライ&エラーを試すためだ。
そこで大きな衝撃のギタリストに出会うことになる。
チリ出身の『アンドレス・ゴドイ』という人だ。
彼は子供の頃に事故で右手を失い、一度はギターを弾くのを諦めたが、大人になってもう一度夢を追うことを決意。
結果、左手だけでギター演奏をするという、唯一無二のスタイルを築きあげたという。
本当に衝撃だった。
左手だけでギターを演奏することが可能だなんて、、、
しかも彼が奏でる音は本当に魅力的で、僕の心に響いた。
テクニックだけではない、彼の生き様や覚悟、そしてギター愛が音色に乗って伝わってきた。
その点、僕はどうだ?
ただ右手がうまく使えないだけで、ギターを辞めるだなんて。
ギターを好きな気持ちは誰にも負けないって思ってたけど、お前は彼ほどの努力をしたのか?
もっと試すことがあるんじゃないのか?
そんな自問自答を繰り返していた時、ふとあることが脳裏に過ぎる。
左右逆に弾いてみるのはどうだ??
コロンブスの卵のような発想だが、なぜか今までこの選択肢は僕の頭になかった。
そう思ってすぐにギターを逆に構えてみる。
違和感はそこまでない。
右に構えるとすぐに右手が反ってしまう現象が起きていたが、逆だとその現象が起こらない。
レフティギター
いけるかもしれない。